山吹ひばり降臨(夢千鳥)

山吹ひばりは彦乃の生まれ変わりだ

彦乃は山吹ひばりとしてここにいる

https://www.kanazawa-museum.jp/yumeji/about/p02_fate.html

彦乃は山吹ひばりとして、この世界に再び戻った。

丸顔で愛くるしく可愛いい。そして、彦乃が夢二そうであったように、山吹ひばりは和希そらに一途だった。

芝居の中での現実(映画撮影)の世界、過去の夢二の世界、そしてそれを舞台で演じている役者の現実世界がない混ぜになってしまった。

自分が今どの時空にいるのかが確かでない感覚。

白澤の世界と夢二の世界、そして和希そらの世界が渾然一体となっていた。

それは、私は山吹ひばりの彦乃と和希そらの夢二のリアルがもたらしたものだった。

彦乃が消えた後の舞台に残ったもの

彦乃は三度消える。

初めは父親に連れ戻されたことによるもの。

次は劇中の彦乃の死によりもたらされたもの。

そして、山吹ひばりという名を借りた彦乃自身が演じた彦乃がその役を終えて、この世界を離れてしまったことによるもの。

彦乃の消失はそのまま舞台とそれを取り巻く観客の全てに現実としての彦乃の消失のリアルを突きつける。

舞台ではそれを埋めるストーリーが展開されるが、それは虚しい。

山吹ひばりは即ち彦乃であり、その彦乃が消えたことで和希そらは舞台に留め置かれることとなる。

観客は目前で一つの命を失うが、その消失は一つの世界を失うことを意味する。

彦乃である山吹ひばりと夢二である和希そらが作り上げた芝居の中のリアル、そして劇中劇たる芝居とここにある現実が有機的に結びついた世界は崩れ、ただ舞台の向こうで演じられる世界だけが残った。

それは舞台としては十分ではあったが、それまで構成されていた大きな世界が消失した「残り」でしかなかった。

山吹ひばりは彦乃を離れどこへ行くのか

山吹ひばりは彦乃である。

彦乃は山吹ひばりであり、山吹ひばりは彦乃でしかない。

彦乃自身が演じた彦乃という役を離れ、なお彦乃は山吹ひばりとして舞台に留まり続けるのだろうか。

では、『夢千鳥』を終えた今、山吹ひばりは何者となるのか。

彦乃は山吹ひばりとして、何を演じていくのか

彦乃自身が演じた彦乃を終え、彦乃は何を演じ得るのか。

彦乃は山吹ひばりという役者となりこの世界に留まることになるのだと思う。

しかし、彼女はこれから何を演じるのだろうか。

彦乃はこの世界で役者として、再び命を吹き返すのだろうか。

私達はこれからそれを見定めなければならない。

それはこの舞台を目にしたものが負うべき定めである。

山吹ひばり新公初ヒロイン【追記】

『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』
~サー・アーサー・コナン・ドイルの著したキャラクターに拠る~のキャストが発表されました。

アイリーン・アドラー役(本役 潤花)は山吹ひばりと発表されました。

彦乃はアイリーン・アドラーへ!